[ 木のしごと ] 2020/09/20(Sun)

仕事上欠かせないのが、椅子の座編みである。
和紙又は藺草を撚りながら編む手法だ。
これらの座編みは、とても重労働である。
ロッキングチェア1脚、ハイバックの背と座面を編むと
体重が2kg以上減る。
もっと楽にできないものか...
刻下、covid‐19で世の中の動きがゆっくりになり
普段の懸案事項を充分考える時間が出来た。

西洋では主に作業台を使い、座編みは立ち作業である。
立ち作業では、自分が椅子の周りをまわりながら編む。
もしくは、椅子をまわしながら編む。
私は、座った姿勢で座編みをする。
したがって、椅子をまわしながら... という事になる。

大きなロッキングチェア等は、椅子をまわしながら...
というのは、その都度重たい思いをする事になる。
けっこう腕を酷使する。
これが、編みの精度に影響を与えかねない。
撚りをかけながら編むというのは、それだけでも
指から手首、上腕へと負荷が大きい。
できれば、作業はそこだけに集中したい。
椅子をまわすことが楽になれば...

検討の末、座編み回転台というものを考えた。
椅子をある程度固定出来て、回転しながらも
90°毎に程良くロックがかかる機構を加えた。
自分が作る椅子のサイズに対応するように
椅子の固定方法も可動式にした。

いいんじゃない...
良いよ、良いよ。
試しにダイニングチェアの編みをしてみると
目指していた効果は確かにあるのだ。
座も背も編むタイプの椅子だが、快調である。
そして、2脚目の編みに入ると...
ん? 少し様子が違う、回転が重たくなってくる。
90°のロック機構も何だか渋くなってくる。。。

しかも想定していたロッキングチェアの対応にも影が...
固定のための蝶ネジが、橇と干渉して回せない...
課題が浮き彫りとなり、試作1号は再検討へ。。。
それでも、方向性が見えたのは大きな収穫である。
早くも、回転台2号機の計画に期待が寄せられている?